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妖怪
文芸春秋
平岩弓枝
ISBN4163182209
鳥居甲斐守忠耀は本当に悪人だったのか!?
水野忠邦の懐刀として天保の改革に辣腕を振るい、
世人の怨嗟の的となった能吏の悲劇
「鎮まれ、鎮まらんか」鳥居甲斐守が手綱をさばきながら叱りつけた時、
「妖怪」という声がとんだ。奉行につき添っていた役人が、
はっとしたとたんに、「裏切り者」鋭い叫びと共に、
小石が夜気を切って甲斐守の肩先をかすめた。
ぞれがきっかけのように、ばらばらと礫(つぶて)が飛んで来る。
片手をあげて礫を防ぎながら、甲斐守は声のしたほうを見た。
燃えている炎のかげにどこかで見憶えのある顔が憎悪にゆがみながら
自分を睨んでいる。
(本文より)
¥1619(税別)
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