三本の矢 上巻
早川書房
榊東行
ISBN 9784152081643
すべては大蔵大臣の失言が発端だった。国会の予算委員会において、
蔵相の瑞田が、かねてより経営難が噂されていた日本不動産金融銀行の状態が
「極めて危険なレベルに達しつつある」と発言したのだ。
議場は騒然とし、記者たちはニュースを社へ報ずべく出口へ殺到する―まさしく、
「昭和金融恐慌」の再現だった。
日本不動産金融銀行は倒産へと追い込まれ、
未曾有の金融パニックが日本全土に波及する。
大蔵省は対応策を策定すべく、緊急チームを編成、事態収拾に向けて動きはじめる。
その一方で、驚くべき事実が判明する。瑞田が読み上げた答弁書の中身は、
何者かの手によって差し替えられていたのだ。
となれば、蔵相の問題発言は「失言」などではなく、
周到に仕組まれた陰謀だったことになる。
いったい誰が、何の目的で―?
現実の日本を襲う「危機」を現在進行形でシミュレートする、驚愕の金融経済サスペンス巨篇。
情報ばかり溢れ返り、実態の見えない金融危機。
本書は膨大な量の情報を明快に整理し、日本の抱える問題点を浮き彫りにしてくれる。
この時期、一般サラリーマンはもとより、新入社員は必読の一冊といえる
弘兼 憲史
1927年(昭和2年)
3月14日の衆院予算委員会。
当時の片岡直温藏相の発言が
昭和金融恐慌の引き金を引いた。
恐慌はその後、全国的な取り付け騒ぎに発展し、
一ヶ月余りの間に36の金融機関が休業に追い込まれた。
(「第T部 失言」より)
1600円(税別)
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