リトル・トリー めるくまーる フォレスト・カーター   リトル・トリー
普及版
めるくまーる
フォレスト・カーター
和田穹男訳
ISBN4839701091

祖母が言った。
「おまえはとっても正しいことをしたんだよ。
なにかいいものを見つけたとき、まずしなくちゃならないのはね、
それをだれでもいいから、出合った人に分けてあげて、
いっしょに喜ぶことなの。
そうすれば、いいものはどもまでも広がっていく。
それが正しい行いってものなんだ」
リトル・トリーはいつの時代にも新しい世代の人たちによって
くりかえし発見され、読みつがれてゆくべき
ハックルベリー・フィンの冒険などと並べうるまれな本。
全編美しく滋味に富んでおり、読者はとてつもないおかしさに
笑わせられるかと思うと、痛切な感情に激しく胸を
揺すぶられるにちがいない。
(本文「「リトル・トリー」を分かち合う喜び」より)

『リトル・トリー』は、チェロキーの血を引く祖父のもとで過ごした作者の
幼少年時代の回想をふくらませた作品で、初めカーターは
「ぼくと祖父」というタイトルを考えていたという。
全四作の中で見れば、「リトル・トリー」は少年の目を通して語られる
やさしさと痛みとユーモアにあふれた物語であり、他の三つの作品がテーマからして
血なまぐさくヴァイオレンスに満ちているのにくらべて、性格も趣きも大いに異なる。
もっとも、権威や体制の欺瞞性に対する反発、虐げられた弱者への共感、
つねに帰るべきところとしてある自然への敬慕などは、
すべての作品に共通するものである。
彼が全作品にインディアンヘの献辞を添えているのは、
彼の精神的なよりどころがインディアンの世界にあったことを物語っている。
そのような基本的な姿勢は、カーター自身が体験によって
獲得していったものではあるが、やはり幼時の原体験とも言うべき祖父の教えが
頑丈な骨格となって支えてもいたのだろう。
幼いリトル・トリーの、水のようにせせらぎきらめきつつ流れ去った至福の日々と、
そのやわらかな魂に刻印された祖父の粗野ではあるが真実の教え、
祖母の愛、山の草木やけものたちとの語らい。
読者はこの平明な物語の中に、年齢を越えて、
それぞれに心を誘われるなにかを発見し、また思い出すであろう。

目次
「リトル・トリー」を分かち合う喜び/ぼくの名はリトル・トリー/
母なる大地とチェロキーのおきて/壁に揺れる影/赤狐スリック/
理解と愛/祖父母の昔話/サツマイモ・パイ/ぼくの秘密の場所/
危険な商売/クリスチャンにだまされる/はだしの女の子/
ガラガラ蛇/夢と土くれ/山頂の一夜/ウィロー・ジョーン/
教会の人々/黄色いコート/山を降りる/天狼星/家へ帰る/
遠い旅路の歌/リトル・トリー讃歌/フォレスト・カーターと「リトル・トリー」/
訳者あとがき

1000円(税別)
リトル・トリー めるくまーる フォレスト・カーター 和田穹男訳 単価 1,000円 購入数

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