恐竜はどう暮らしていたか
自然誌選書
どうぶつ社
E.H.コルバート
2億年前、地球は、後にも先にもない巨大な恐竜の繁栄した時代であった。
これは、その時代に、彼らがどう生き、暮らしていたかをイキイキと描いた、
楽しい読物です。いまわれわれの目の前で、彼らの生と死と、
愛と戦いのドラマが、壮大なスケールで展開されます。
たしかな証拠にもとづいて、古生物学界の最高権威が初めて試みた
画期的な恐竜の本。読者は、2億年前の大地に、限りなく想像力を
かきたてられることでしょう。
●朝日新聞=(主人公の)表情や行動は眼前に見えるように克明だ。
●読売新聞=SF小説なみの面白さだ。
●週刊文春=とにかく、楽しみながら知識を得られる。こんな構成の教科書を、
現代のつめこみ主義に泣く子供達に与えてやりたい。
ここに登場した、食うか食われるか、つまりアロサウルス(ブロンティ)は、
これから、壮大なスケールで大昔のドラマを演じようとしている。
アロサウルスは、入江を渡る<ブロンティ>を見つけると、
すぐさまこの大物を襲う気になったのだ。
彼は、水をけちらして<プロンティ>のあとを追った。
大股で走るあとから、鳥のような足掛がついた。
3本の大きな指に、一段と深くくい込む大きな爪の跡、それがこの足跡の特赦だった。
追手に気づいた<プロソティ>は、あわてて岸をめがけて逃げ出した。
しかし、ようやく対岸にたどりついた時、アロサウルスはもう
間近にせまって来ていた。襲いかかるアロサウルス。
襲われながらも必死で森に逃げこもうとする<ブロンティ>。
<アロンティ>の体から血がふき出した。でも、たいしたことはない。
彼女の体の大きさが攻撃を防いでいた。
アロサウルスは彼女を傷つけはしたが、倒すことはできない。
<ブロンティ>は無器用に逃げまわった。
そのまま2頭はもつれるように砂浜を横切って、ジャングルの中へなだれこんでいった。
森に入ってすぐ、砂地があり、その先に大きな沼が見えた。
それは雷竜<ブロンティ>にとって、思いがけない幸運の場所だった。
しめた!
彼女は、最後の力をふりしぼってアロサウルスをふり切り、
ドッと音をたてて沼にかけより、そのまま水へとびこんだ。
遠くへ、もっと深いところへ、彼女の背中が潜るところまで逃げた。
ほっとした。アロサウルスは、もう追ってこない。
アロサウルスは、深くてしかも底が軟らかくて頼りない沼地が苦手だった。
その鳥に似たがんじょうな足と鋭い鉤爪のついた足は、
この新たな舞台にはなじめない。硬い地面なら早く走れる。
浅い水なら水をけちらして走ることもできる。
でも、沼にはお手あげのアロサウルスである
(本文「対決」より)
目次
はじめに
対決
平和
巨大
太陽
墜落
放浪
恐怖
帰郷
巣づくり
出会い
死
誕生
参考文献
訳者あとがき
1240円(税別)
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