
ジェローム神父
ホラー・ドラコニア少女小説集成
平凡社
マルキ・ド・サド |
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ジェローム神父
ホラー・ドラコニア少女小説集成【壱】
平凡社
マルキ・ド・サド
澁澤龍彦・訳
会田誠=絵
ISBN 4582831737
澁澤龍彦ホラー・ドラコニア
少女小説集成(全5巻)第1弾!!
誘拐、陵辱、殺戮そして食人。
犯罪小説サド、衝撃の復活!!
悪徳はなぜ、かくも魅惑的なのか
可憐な少女たちを待ち受ける終わりなき姦計。
食人猟奇ミステリー「羊たちの沈黙」「ハンニバル」を凌ぐ
倒錯世界を、犯罪者の視点から執拗に描きつづけた悪の哲学者サド。
読者の脳を攪乱するそのディープな悪徳の味が、
異端作家・澁澤龍彦のマッドな文章と現代アート界を震撼させる
幻想画家・会田誠の絵巻で甦る、澁澤=サド少女小説衝撃の復権!
渋谷の闇のむこうにあるという、少女たちの逆ユートピアとは?
《ジェローム神父》
ふと例の気まぐれな心が動くと、おれはトリエント付近で、
たったひとりで馬車に乗り、そのままイタリア方面に向かって出発した。ト
馬車が森のなかを横切っていると、悲しげな泣き声がおれの耳に達した。
「ちょっと車をとめてくれ」とおれは馭者は言った。
「あの叫び声の原因を確かめてみたい。おまえはここを離れずに、車の番をしていてくれ」
ピストルを片手に、おれは森の奥へ分け入り、ついに、とある伐採森のなかに、
十五、六歳の少女が打ち棄てられているのを発見した。
少女はおれの目には、類まれな美貌の持ち主のように見えた。
おれは近づいて行くと、
「どんな悲しいことがあるのです、美しいお嬢さん」と言葉をかけた、
「できることなら救ってあげたいものだが?」
「いいえ、いいえ、とても駄目ですわ」彼女は答えた、
「そんな、名誉を傷つけられたというような話ではないのです。
あたしはもう、駄目になった娘なのです。ただ死んでしまいたいと思うばかりです。
あなたに殺していただけたらと、と思いますわ」
(本文より)
ジェローム神父 ホラー・ドラコニア少女小説集成
平凡社 マルキ・ド・サド 澁澤龍彦・訳
1800円(税別)
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