光をめぐって 筑摩書房 蓮實重彦

光をめぐって
映画インタビュー集

筑摩書房
蓮實重彦
 

光をめぐって
映画インタビュー集

筑摩書房
蓮實重彦
ISBN4480871691

僥倖による映画史の証言!!

今、次の作品がもっとも待ち望まれる八人の映画作家ーゴダール、
アンゲロプロス、エリセ、ベルトルッチ、シュミット、ヴォェンダース、
侯考賢、ジャームッシュへのインタヴュー集成。
彼らが語る言葉は、映画を撮ることの創世記的な僥倖の瞬間がどのように
訪れたかをつぶさに告げいてる。

幸福な映画というカテゴリーはいまや決定的に過去のものとなり、映画の
中でふと目覚めるという体験は永遠に奪われている。
映画を撮ろうとする者たちは、映画などかって存在したためしはなく、
そのつど映画を発明するという創世記的な瞬間をみずから探り当てねばならない。
そうした瞬間に無理にも映画作家を立ち合わせてしまうという「僥倖」だけが、
以後、映画の歴史となるだろう。
(本書あとがきより)

目次より
憎しみの時代は終わり、愛の時代が始まったと確信したい。
『右側に気をつけろ』を撮り終えて
『九十分の作家』ゴダール 処女長編の『勝手にしやがれ』から
最近作の『ゴダールのリア王』にいたるまで、あなたの作品のほとんどは、
ほぼ一時間半という長さにおさまっています。
『気狂いピエロ』が例外的に一時間五十二分、『男性・女性』もほぼそれと同じ長さですが、
残りの作品のほとんどすべては、少なくとも商業的な公開を目的として撮られたものは、
計ったように正確に九十分という上映時間におさまっています。
あなたが、一時間半に執拗にこだわっておられるのは、
理由もなく長くなってゆく最近の映画全般に対する批判がこめられているのでしょうか。

ゴダール 他人の悪口をいうのはいつでも気持ちのいいものだから、
そうだといっておきたいと思いますが(笑)、最近では、批判するほど映画を見なくなっています。
しかし、私があらゆる映画を一時間十五分から三十分に仕上げようとしているのは事実です。
だが、それは実にむつかしい作業で、すっきり編集できたのはほんの二、三本しかない。
あとは、いつでも苦労の連続です。本当なら、こんな苦労をしないで、
いっそ七、八時間の映画にいししまいたい。
だが、テレビ番組向けの作品を除いてそうした作品を撮ってはおらず、
難儀しなしがらも一時間半の作品を作っているのです。

 『フランス曲がり角慢遊記』や『6×2』といったテレビ向けの長い
作品でさえ、一回の放映分は厳密に編集されています。
ゴダール 映画というものは、そもそもが十分間の見世物として始まった
わけです。それに、ヌーヴェル・ヴァーグの作家たちはみんなアメリカ
映画に熱狂していたのだが、かってわれわれが愛したハリウッド映画の
ほとんどは、二本立て番組の前座として上映される作品の方で、その
上映時間は正確に一時間四十五分におさまっていた。
 いわゆるB級映画という奴ですね。
『勝手にしやがれ』が捧げられているモノグラム社の作品も
七十分から八十分という上映時間が多い。
ゴダール 本編というか、いわゆる上質作品の方は、その一時間十五分
の映画の後で上映されたものですが、われわれは、短いB級の方が好きだった。
『リア王』も、本来なら一時間十五分くらいの作品なのですが、
プロデューサーからせめて一時間半にしてくれといわれて、
前半に導入部的なものを挿入したのです。

目次
ジャン=リュック・ゴダール
 憎しみの時代は終わり、愛の時代が始まったと確信した
 『右側に気をつけて』を撮り終えて
テオ・アンゲロプロス
 二十世紀の『夢』を批判的に考察したかった
 存在しない声の響きに耳を傾けるかのように
ビクトル・エリセ
 心もとなく闇の中に歩みはじめるように
ベルナルド・ベルトリッチ
 私の映画の中にはいつでも夢のマチエールへの確信がある
タニエル・シュミット
 映画は『ラ・トラヴィアータ』の奇蹟を信じることだ
ヴィム・ヴェンダーズ
私は、最後のアメリカ映画を撮ったつもりだ
侯考賢
 映画の画面は結局、直感できまると思う
ジム・ジャームッシュ
 トム・ウェイツで黒白の西部劇を撮るという夢がある

2900円(税別)

光をめぐって 筑摩書房 蓮實重彦 単価 2,900円 購入数

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