ヘンな事ばかり考える男ヘンな事は考えない女 東海林さだお

ヘンな事ばかり考える男
ヘンな事は考えない女
文藝春秋
東海林さだお
 

ヘンな事ばかり考える男 ヘンな事は考えない女

文藝春秋
東海林さだお
ISBN 4163581502

ヘンな事には、ヘンな事なりの、ヘンな理由がある

ヘンな事ばかり考える男ヘンな事は考えない女 東海林さだお

そして次が、いよいよ国定忠治の登場だ。扮装はすべて本格的。
マゲ、刀、合羽、三度笠、手甲、脚絆、ワラジ、
そして濃い化粧はエリの奥まで念入りである。
 踊りには”ヰッとミエを切ってキメる”部分が
ところどころあるものなのだが、この五十がらみのオジサンの踊りは
キメがやたらに多い。キメてばかりいる。

 えてして素人の踊りは、

@動きが激しい
A運動量が多い
Bやたらにドスドス踏みならす
Cキメの含有率が高い


という特徴があるものだが、このオジサンの踊りにはそのすべてが当てはまる。
驚いたことに、踊りを踊っている舞台に、ポチ袋を差し出す人がいる。
それも一人や二人ではない。
どういう仕来たりなのか、千円札を割り著にはさんで差し出す人もいる。
このオジサンはもう一回、”チョン髷(まげ)のせ壮士風踊り”を踊り、
六十がらみの太ったオバーチャンが三波春夫級ドハデ着物で踊ったあと、
「代わって踊りまするは、麻布の玉三郎、林さん」
という前ふりがあって、どう見ても梅沢登美男、
それも若い頃の登美男が、あでやかに、うっとりと登場した。
 キメのときの流し目の色っぽさ、踊る手つきのあでやかさ、
素人の踊りとはとても思えない。
「七十四歳、七十四歳」
と、さっきの”お兄さんたちも歌いなさいよ”が御注進にくる。
もう、なにがなんだかよくわからない。
ここの経営者は、
「結局、ここは何なの?」
と言われるのが一番つらいことなのかもしれない。
(「踊る麻布十番温泉」より)

(目次)
レッツ・トライ・ザゼン 新解株式用語辞典
踊る麻布十番温泉 モーニング姿で納豆を
春の浅草食い倒れ 懐かしのキャバレー
あるおじさんの筆記具史 人間は哀れである
さあ、手づかみで食べよう 往生際
おじさんたちのディズニーワールド 似顔絵について―
高橋春男さんから極意を伝授
電動犬アイボ飼育日記 聞こえてくる音
シャベルの時代

いつもながら東海林さだおさんは読者を飽きさせません!
店員1号は最近「東海林さだお・依存症」です!もう離れられない...

1048円(税別)


 
ヘンな事ばかり考える男ヘンな事は考えない女 文藝春秋 東海林さだお 単価 1,048円 購入数

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