灰の庭
河出書房新社
デニス・ボック
小川高義・訳
ISBN 4309203752
2002年カナダ・日本文学賞受賞、カナダでベストセラー第1位
広島で被爆した少女。
ナチから逃れた科学者とユダヤ人の妻。
50年後のN.Y.で、3人の秘密と謎が解き明かされていく
20世紀最大の犠牲と犯罪「ヒロシマ」「原爆」を
描きアメリカで今話題の問題小説!
一九四五年八月六日、広島。
一人の少女が被爆した。
五十年後、少女は原爆投下に関わった亡命ドイツ人
科学者とユダヤ系難民である彼の妻に出逢う。
巧みな設定と絶妙な語り口で「善悪の是非」を問う大傑作!!
「あの日、つまり八月六日という日付に、またご自身も関係者だと?」
「そうです」
「なぜ?」
「生き残りだからですよ。せざるを得ないことをしたのだ、と自答できる人間の一人なのです。
たしかに代償はあった。それはわかっていた。でも仕事は完成した。
あれで人類がよくなったとは言っていない。そんなことは明らかだ。
(中略)
戦争を終わらせるためだった。ほかの人間が始めたことを終わらせる。それが目標でした。」
「いま代償とおっしゃいましたね?」
「あなたのような人が認めさせたがるものだね。良心が咎めて悩んでいる姿を見たいのかな。」
(本書本文より)
灰の庭 河出書房新社 デニス・ボック 小川高義・訳